むかーしむかし、こんなお話を聞きに行きました



こんにちは。
久留米市のお庭屋さん「e-garden」の中村穂高です。


数年前ある審査委員長の先生の講演会?がありました。


テーマは
「外構工事、予算80万のなぞ」

と興味をそそる文言です。

実際は予算80万で外構工事はできません。
いや、できるにはできるのですが、それが果たしていいものなのか、というお話でした。

まずまず、住宅メーカーさんのお家、工務店さんのお家は、「坪単価いくら」 という目安の数字があります。
オプションでアレコレつけていくとその数字内ではおさまらないのですが、
ベースとなる金額が『坪単価』と呼ばれるもので、相見積もりで他社と比較する際に参考となる数字です。

建物が坪単価で表現されるものですから、
建物の次に考える外構も坪単価で表せられる と思ってしまうのでしょう。

敷地と家の配置だけを持ってきて、だいたいいくらでできますか?と訪ねてこられるお客様がいらっしゃいます。
そんなときはあくまで概算でしか、金額を提示することしかできません。
外構工事が坪いくら?と表現しづらい理由は。

①境界ブロック・フェンスがあるかないか?
不動産屋さんがしていれば、それは土地代の中に含まれますが、していなければ外構工事の代金に含まれます。
同じ敷地の広さでも、境界ブロックフェンスがあるかないかではずいぶん変わります。

②高低差があるかないか?
道路と家が建つ地面の高さが20cm なのか、1mなのかで、土が流れないようにする土留のブロックの
長さや段数が変わります。
いらない土を掘る金額、掘った土を処分する金額もかかってきます。
同じ敷地の広さでも、道路との高低差がちょっとなのか、ずいぶんあるのかで、金額は変わってきます。

③お客様のご要望の違い
お庭はいらない、車が止められればいい、というお客様。
カーポートが欲しい、自転車置場に屋根も欲しい、ガーデンルームが欲しい、ウッドデッキが欲しい、と要望の多いお客様。
雑誌にあるような、お花やかわいい雑貨でいっぱいのかわいいお庭にしたい、というお客様。
ほんとうに、お客様のご要望は多種多様です。
要望の違いがあるのに、単純に坪いくらです。と表現はできません。

④建物のグレードの違い。
外構、エクステリア、お庭は、建物を引き立てるもの、建物に付随するものです。
ですので、やはり建物とグレードをあわせてあげないといけません。
『低コスト住宅』と呼ばれる建物の外構と、『有名大手ハウスメーカー』さんの建物の外構が
同じ仕様でできてしまってはおかしいですよね。
外構は建物のグレードにあわせてなければなりません。


以上が、外構工事を坪単価いくら?と表現しづらい理由です。

文章長くなってますが、読まれている方、大丈夫ですか?
私にもっと文才があれば、もっとおもしろく、わかりやすく書けるのですが・・・・ くぅっ。

ではでは、坪単価いくら?と表現できないというお話はわかっていただけたかと思います。
では、予算80万円になってしまうその理由。

建築屋さん(営業)の立場からすると
①外構より家にお金をつかってもらいたい。
②外構とかめんどくさいことは簡単に済ませて、次のお客様を獲得しないといけない。
③残った予算をインテリアとエクステリアで分け合うのだが、インテリアのほうが先に決める。

という理由があります。

そして、お客様は
①住宅の営業が予算80万でできる(根拠なし)という言葉を信じてしまってる。
②ムダなお金はかけたくない。
③住宅にお金をかけてしまったので、いくらか手元に残るよう必要最低限にしたい。


という気持ちになっています。

というわけで、エクステリアのお話を進めようというときには、財布のひもが固くなってしまっている
というわけです。
こうして、我々のようなエクステリア、外構屋さんは泣く泣く低予算の仕様での外構工事をすることになります。


しかし、予算80万でなくても低予算の外構、エクステリアができたとして、いったい誰が喜ぶのか?

我々外構屋さんからすれば、
もうけが少ない

お客様からすれば
①必要最低限の仕様なので、みすぼらしいものになってしまった。
②数年経ってリフォームしようとすると、最初に作ったものを壊さないといけないというロスが生じる。
③住宅ローンを払いながらリフォーム代を貯めるのは大変。


ということになります。

そして、建築屋さんからしても、
建物と不釣り合いの外構をしてしまった物件は、今住宅購入を検討しているお客様の参考にならない。
ご紹介したい、見ていただきたい物件にならない。
つまり、次の見込み客へのアピールにならない。
ということです。



低予算の、最低限の仕様の外構工事、エクステリア工事をして、
誰が喜ぶというのか?

誰もよろこばないんじゃないですかね。



低予算で外構工事をしてはいけない というわけではないのですが、
お客様の要望を満たすためには、
できるだけ早い段階で、
専門業社に御見積とプランニングをしていただいたほうがいいでしょう。

というお話でした。

ながながと書いてしまい、まるで私の考えを書いたようになってしまいましたが、
審査委員長の先生のお言葉です。
この業界を牽引しておられる先生のありがたーいお言葉です。


私もこの業界の活性化のために、ここで声高らかに、叫びたいと思います。


予算80万でできるかー(怒)


目安は建物の1割です。


ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
お住まいを建てるときの参考になれば、幸いです。


gahag-0059907781-1