アプローチの目地切り

こんばんは、久留米市のお庭屋さん、e-garden(イーガーデン)の中村穂高です。

今、設計という立場でスタッフの描くプランをよく見ることになります。


若い人、まだプランニングに慣れていない人がよくするプランで、
あまりよくないプランがあります。

それは、
アプローチの目地の切り方で、


鋭角

をつくるプラン。



アプローチクランク
上のプランのように、アプローチが90度に折れ曲がるプランだと、
若い人はよくこういう目地の切り方をします。



ここに、鋭角(45度)があるのがわかりますよね。


アプローチクランク - 鋭角
なぜ鋭角がよくないかと言うと、

鋭角は、
構造的に、欠けやすい。ひびが入りやすい。


なんでもそうですが、とがっている形のものは、先が折れやすい。
削ったばかりの鉛筆の先を想像してもらえれば、わかりやすいと思います。
ひび割れ防止にコンクリートの中に入れる、メッシュ筋(ワイヤーメッシュ)が鋭角部分には入りにくい 
というのも、ひび割れが起こりやすくなる理由のひとつです。




アプローチクランク45度
こういう45度に折れる場合も、同じ理由で鋭角部分をつくるべきではありません。


アプローチクランク45度
角度は、さっきのよりは尖っていないですが、割れやすい、欠けやすいことに、変わりはありません。




では、こういうときどうするか?









アプローチクランク改善01

90度に折れる場合は、このように目地を切ります。

これで、鋭角はできません。




こういうパターンもあります。


アプローチクランク改善02
これは、業界用語で、「勝つ、勝たせる」 という表現をします。
(エクステリア、お庭、の世界に限らないかもしれませんが。。。。)

駐車スペース側、道路側のアプローチに対して、
家側、玄関ポーチ側のアプローチが勝っている   ということになります。





45度に折れている場合は、下のように、目地切りをします。

アプローチクランク45度改善01

折れてるところではなく、その前後で目地を切る。
これで、鋭角はできません。

これは、プランとしてやり尽くした感があるので、(私は。)
最近はこんな切り方をします。






アプローチクランク45度改善02
ちょっと変化あるでしょ。








ついでなので、玄関ポーチ前のアプローチについても、例を出しておきます。


ポーチ前
玄関ポーチに対して斜めに入っているアプローチになった場合、
こういう形になりやすいです。
(私も昔そうでした。)



ポーチ前 - 鋭角

これも、先程の例と同じ理由で、鋭角を作るのはよくありません。
割れやすい、欠けやすい です。



この場合どうするか?




ポーチ前改善01

絵が小さくなり過ぎた。

先を落としているのがわかりますか?
このように鋭角部分をなくします。







また別の方法で、



ポーチ前改善02
先程のアプローチのパターンの応用になりますが、
このように、アプローチに変化をつけることで、鋭角部分をなくすことができます。




鋭角は、この業界では作らない。
理由は、割れやすい、欠けやすい から。





ただし、絶対に鋭角はダメ とは言いません。
以前も言いましたが、いつだって、『デザインは自由』であるべき、

鋭角で作ったほうが、きれい、納まる、すっきりする なら、もちろん鋭角であってもいいと思います。








ちなみに、

鋭角は、構造的に「割れやすい、欠けやすい」 と散々言ってきましたが、


私の中で、好きになれない理由が別にありました。デザイン的に、見た目的に。


うまく言葉で言うことができなかったので、若い人にも上手に伝えることができませんでした。

けど、あるとき、相棒の今泉に見せてもらった写真から、その答えが出ました。


それは、



また明日~。