材料の形状、向き不向き

こんばんは、久留米市のお庭屋さん、e-garden(イーガーデン)の中村穂高です。


スタッフ中村
私、この業界に入って10年経ちまして、10年も経つと人に「教える」という立場になってきました。

人としてまだまだ未熟ですので、「教える」という行為は正直、申し訳ない気持ちでいっぱいです・・・。
「自分も気をつけるから、がんばるから、みんなもお願いね。」みたいな感じで指導しています。



会社に入ってまだ数年の若いプランナーさんがやってしまうミス(!?)というのがありまして、

材料の特性や規格(サイズ)を知らないで、プランを作ってしまうこと。

これだけでは「なんのこっちゃ?」ですよね。


私たちがよく使う材料には、サイズの規格があるものとないものがあります。
サイズの規格があるものは、
タイル、ブロック、レンガ、石材(方形石)、アルミ製品、  etc.....

タイルなら、100角 150角 300角 300*600角
ブロックなら、長さ400*高さ200 長さ500*高さ200のもの、まれに、高さ150のものも。
レンガなら、長さ約210*幅約110*厚み約70

と、大きさ、サイズの規格が決まっています。


反対に、
サイズの規格がないものは、
コンクリート、豆砂利洗い出し、石材(乱形石)、モザイクタイル、土、砂利、芝  etc.....

こちらは、工事のときに、ドロドロしていたり、サラサラしていたりするので、(最終的に固まります)
その場に応じて自由に形を変えることができるものです。






そしてプランニングをするときに、使う材料に応じた形や使い方があるのです。

RIKCADでサッと作ってみます。






リビング前によくあるタイルテラス。



タイルテラス
こういう風に半円状にするのは大変です。

タイルは、10cmや30cmの正方形や、30cm*60cmの長方形をしていることが多いです。
四角といった直線でできている形をしているので、
上の絵のような曲線のデザインには向きません。


タイルをカット
①曲線に合わせて、タイルをカットしないといけなくなります。

また、
②鋭角の部分ができてしまい、これは、作るときに細い部分が割れやすいですし、作った後も割れやすくなります。



できないわけではないのですが、
手間がかかるし、見栄えもけっしてよくないことが多いです。

ですので、

タイルの適した形
タイルは直線的な形をしているので、タイルで作るタイルテラスも直線的な形状にすることで、
工事もしやすく、見た目もいい、材料も無駄にしない、

いいとこづくめです。



次にブロックです。





ブロックで曲線
若いプランナーさんが、絵のように曲線状にブロックを積むプランを描くことがあります。

CADではこういうことができますが、実際は、



ブロックを曲線状に積むと
細かくカットしたブロックを積んでいく、並べていくため、ガタガタになります。

赤線引っ張って、余計わかりづらくなったかな?

これもタイルといっしょです。
長さ40cmのブロックを曲線状に積むのは、材料と形が適していません。


自然石方形貼りのアプローチ
アプローチをS字形や、曲線状にすることはよくあります。
また、
材料に、30cm角や、30cm*60cmにカットした自然石を使うこともよくあります。


これもまた素材と形状が適していません。

自然石を使って、曲線状にしたいのなら、
乱形石がベストです。



乱形石
正確には、乱形石もカットするのですが、
方形石より、自然です。

反対に、方形石を使うのなら、形はこんなふうに、



方形石のアプローチ
雁行形、階段状にすべきです。

この業界で、これが絶対、これがベストとか、言いたくはないですが、
(デザインはいつだって自由であるべきだと思うので、)


それでも、材料に適した形状というものはあります。


めっちゃ長文になってしまった。
このブログ、何分かかったかな?こんな時間かけるつもりじゃなかったのに・・・・。



結論。

材料に適した形状がある!

プランニングするうえで、
形状を優先させるのか、材料を優先させるのか、

どちらを優先させるのかを決めて、適した形状、材料を選ぶ!

それがいいプランニングの進め方です。
(もちろん、例外もありますよ。)