外構で作るスロープの勾配は?

こんばんは、久留米市のお庭屋さん、e-garden(イーガーデン)の中村穂高です。

今日作成した図面に、スロープがありました。

身体が不自由になってきたお母様のためにリフォームされるとのことでした。


外構でスロープを作るときに注意しなければいけない点は、大きく2つ。

ひとつは、スロープの幅
もうひとつは、スロープの勾配



まずスロープの幅について、



スロープの幅
スロープの幅は車イスが通ることを想定しなければなりません。
車イスの幅はJIS規格で、630mm以下 と決まっています。
(ちなみに、電動車イスの幅は、700mm以下です。)


ですので、630mm以上あればいいということになりますが、
実際は、両側のハンドルリムを掴むときに、手の甲や肘が出るために、800mm以上が必要です。
800mmというのは最低の幅員で、
理想的な幅員は900mm以上となります。



もうひとつのポイント、スロープの勾配についてです。


スロープの勾配
勾配は、1/12~1/15以下

『1/12』 より緩い勾配が理想です。


「1/12」とは、12m進んだときに、1m上がる勾配のこと。
これって、結構長さが、距離が必要なんですよね。

よく「玄関ポーチの上までスロープでいけるようにしたい!」とご要望があるのですが、
そうなると、最低でも5mくらいの長さのスロープが必要になります。
「5m」というと、だいたい車1台分の長さです。

道路と敷地の高低差があるところになるとそれ以上。

直線で5m確保できないときは、踊り場を設け折り返して長さを確保することになりますが、
踊り場の分、さらに距離は必要となります。



さらに、
スロープの幅や、勾配以外にも注意しないといけないことがあります。

・両縁は脱輪防止のため、50~150mm程度立ち上げる
・スロープの始点・終点には水平部分を設ける
・手すりは少なくとも片方に連続して設置する。
・階段に代わるスロープは1/8(建築基準法)




スロープの勾配が取れないとき、条件付きですが、こんな裏技もあります。


スロープの勾配

「車イスの方向が変えにくい時、スロープ勾配に余裕が取れない時などでも、
介護者がいる場合は、
蹴上を低く抑えて(100mm以下)、踏面の長い(1000mm以上)階段スペースとすることにより、
対応できることもあります。




日本も高齢者も多い国になっているので、こういう知識は必要ですね。

スロープを検討されている皆様、要チェックです。