ワインにしときゃよかったね

イタリアとフランスとアメリカの首相がとあるリゾートホテルのプールサイドでヴァカンスを愉しんでいた。

そこへ妖精が現れ

「皆さんは日頃政治の世界で活躍してお疲れでしょう。 褒美におひとりに一つの望みを叶えて差し上げましょう。

このプールに飛び込むときに好きなモノの名を呼びなさい。水はすべてそれに変わります」

その言葉が終わらぬうちにイタリアの首相が飛び込み台に走っていき

「イタリアワイン!」と叫んで飛び込んだ。

プールの水はすべてイタリアワインに変わり、首相は飲んだり泳いだりして楽しく過ごした。

それを見たフランスの首相はプライドを刺激され、自分も走りながら

「フランスワイン!!」と叫んで飛び込み、飲んだり泳いだり楽しく過ごした。

それを見ていたアメリカの首相は心の中で

(こいつらのバカさ加減にはあきれるわい。何がワインだ。

俺なら黄金にするか…いや飛び込んだときに痛いな、ダイヤモンドにしようか……)

と考えながら飛び込み台に登っていき、そしてうっかり足を滑らしてこう叫んで落ちていった。

「クソッ!!!」