夏目漱石が筆をとらなかった理由

漱石さんの書は何とも言えない気品があり、

誰もが欲しがったそうです・・・

漱石さんの門下の某氏もその一人で、

かねがね何度かお願いしたんですが、

漱石さん、

一向に書いてくれません・・・

ある時、

漱石さんの書斎で、

某氏はついに言いました!

「前から何度もお願いしているのに、

どうして僕には書いてくださらないんですか。

雑誌社の瀧田にはあんなにお書きになっているのだから、

僕にも一枚や二枚は頂戴できそうなもんですな」

すると、

漱石さんは静かに言いました・・・

「瀧田君は、書いてくれと言うとすぐに毛氈(もうせん)を敷いて、

一所懸命に墨をすり出す。

紙もちゃんと用意している。

“都合が悪くていまは書けない”というと、

不満らしい顔も見せずに帰っていく。

そして次にやってくると、

“都合が良ければお願いします”

とまた墨をすり出すんだ。

これじゃいかに不精なわしでも書かずにはいられないではないか。

ところが、

きみはどうだ。

ただの一度も墨をすったことがあるかね。

色紙一枚持ってきたことがないじゃないか。

懐手(ふところで)をしてただ書けと言う。

それじゃわしが書く気にならんのも無理はなかろう」

ためになるお話ですね♪

何であの人は言う事を聞いてくれないんだろう?って時は、

そもそも自分の本気さが足りないかもしれませんね・・・

相手を変えようとする前に、

まず自分を振り返り、

自分を変える!!!

断られるのには、何か理由がありますからね♪

「人と人との間に起こる問題のほとんどは、

誰しもがまず

他人を変えようとするところから発生するのです。」