いいもの拾ったね

小さな男の子はいつもおばあちゃんと 
散歩に行っていました。 

散歩の途中、男の子が転んで痛くて泣きそうになると 
必ず、おばあちゃんは、こう聞くのだそうです。 


「なに拾った?」 


そう聞かれるので男の子は泣くのをこらえ 
必死に道に落ちている葉っぱや石などを探して拾い、 
立ち上がっておばあちゃんに見せました。 


すると、おばあちゃんはニッコリ笑って 

「いいもの拾ったね」と、 

頭をなでなでしてくれるのだそうです。 
転ぶたびに、いつも。 


やがて、その男の子は大人になった。 


そして、

大人になった男の子は 
おばあちゃんが教えてくれた事の 
ほんとうの意味を知るのです。 


人生、転んでも、その痛みのなかで 
なにかを見つけて拾い、 
また立ち上がることが大事だと。